2022年度 京都市立芸術大学 作品展 / 22-23 KCUA Annual Exhibition

北村 花 Hana Kitamura 油画専攻

インタビュー場所について

よろしくお願いします。改めまして、選んだ場所について教えてもらえますか。

はい。中央棟の屋上です。一年生の時に、仲良くなった人とここにお弁当を食べに来てて、ここめっちゃ見晴らしいいなあと思ったのが始まりです。最近はなかなか来る機会はないですけど(笑)天気がいい日とか、夜とかに来ると、周りの景色が見えていい所だなあと思って。たまに気晴らしに来ては、ボーッとして帰る、っていうのをやったりしました。

いいですねえ。

そんな頻繁ではないけどね。今日晴れてるなあって日とか、お弁当食べに行こうかなあって時に来たりしました。でもあんまり日差しが強い日は来ないですね。

確かにここ、ぜんぜん日陰が無いですもんね…でも京芸で唯一登れる屋上ですよね。

確かに。貴重ですよね。

結構キャンパスの中も見渡せたりして。いつもは地上を移動するだけであんまり見えない工芸棟とかも見えるもんね。

そうそう!

前ここで皆既月食をみんなで見てたよね。

そうそう、めっちゃ人いたね。

どのへんでご飯食べるの?

この辺!

喫煙所があるから、意外と人はいますね。

そうね、景色が良いからねえ…図書館からも良い景色は見れるんやけど、やっぱりガラス越しになっちゃうから。

卒業制作について

ちなみに卒業制作のことについても聞いても良いですか?

どうぞどうぞ。

どんなものを制作してるんでしょうか。

今回やってる制作は、モノタイプという技法を使ったものです。モノタイプはアクリル板とかに図像を描いて、それを紙に転写するもの。それを使ってパネルに描いていこうと思ってます。今のところ、15号のパネルを16枚並べて、大体200号くらいの作品を予定しています。ひとつひとつの作品を連結させて大きな作品を作ろうと…1年の時やってたことと2年の時やってたこと、3年の時やってたこととはまた違ったものを作ろうとしていて。卒業制作は技術の集大成というよりかは、また違った新しいものに挑戦してみようかなと思ってます。だから今、自分でもどういう感じになるのかは分かってなくて(笑)でも1番気にしてるというか、やりたいのは、「偶然できた模様とか形とか線を活かしながら制作のしていく」ということです。

北村さんの作品を毎年見てきたんですが、2年の時の作品と3年の時の作品、この2つでもかなり違うなと思ってました…北村さんといえば!で私たちがイメージするのは2年の時の作品かなと思うんですけど、自分の作風みたいなものに囚われずに違うものを違うものを、という姿勢ですか。

そうですね、なんか… 自分の性格的に飽きっぽいところがあって、それもあるんですけど。せっかくだしいろいろやってみようというか…興味が分散していくんですよね。これやった、じゃあ次これやろう、みたいな。2年の時は、比較的周りのイメージというか、自分から出てきた表現っていう感じがあんまりしなくて。

なるほど。

自分にしかできない、自分ならではの表現って何なのかなっていうのを模索していって、今、みたいな感じはしますね。

それで、いまはモノタイプなんですね。モノタイプは、一度ちゃんと絵柄を描くんですか?それとも絵の具を置くだけですか?

その中間みたいな感じです。やっぱり潰れる部分は出てくるので、ガッツリ描き込んでというよりは、なんとなくここにこういう線が欲しいとか、ここにこういう形、色が欲しいみたいなのを大体のイメージで描いていって、それを紙に写すって感じです。

なるほど、そこに一回偶然性が挟まるんですね。ちなみにその偶然性を入れようと思ったのには理由はありますか?

それも2年の時だったんですけど、木漏れ日を描いていて、その時に…木漏れ日って偶然できる曖昧な模様があるじゃないですか。それを描きたかったんです。でもそれを自分の手で描いていこうとすると、なんとなくコントロールできちゃう。良い意味でも悪い意味でも。

あ〜〜〜〜

コントロールし過ぎちゃって、それで自分が納得いかなくってどんどん描いていっちゃうと、結局自分の予想通りな絵ができちゃう。そういうのより、自分の意図しない部分が入り込んでくると、自分が想像してたものとは違うものが見えてきたりとか、自分の想定外のことが画面に現れたりするので、そこを活かしたいなと思って取り入れてますね。

なるほど…!

(笑)

なるほどです!めちゃくちゃ楽しみになってきました!

そうそう、でも私もまだパネル貼ったところだから(笑)  ※取材は11月下旬

この記事が出る頃にはできてきてるはずですから。この文章を読みながら鑑賞していただけると良いかもですね。

はい(笑)何がやりたかったのか、みたいなことがより分かってもらえるかもですね。

本人が喋ってるし!この記事とともに卒業作品を見ていただければと。

見ていただければと!

思います。では、ありがとうございました〜!


インタビュアー:駒井志帆
カメラマン:駒井志帆
インタビュー場所:中央棟の屋上

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