インタビュー場所について
本日はインタビューよろしくお願いします。では、自己紹介をお願いします。
美術学部美術科構想設計専攻の森彩人と申します。よろしくお願いします。
この場所についての記憶を教えてください。
この場所は総基礎で「歓待」の課題をしていた時に、使う場所の候補を探していたら見つけました。結局課題のときには使わなかったけど、それがきっかけでこの場所を知りました。あとこの場所には井上先生の土の家があって。土の家は陶芸やパンフが置いてあって、綺麗な場所だなぁと。隠れスポットみたいな。
なるほど。私、今まで来たことありませんでした(笑)人もあまり来ないし、音楽も聞こえてきて不思議な感じ。
(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪)
今もオペラが…。聴こえてくる…。椅子がめっちゃあるのに誰も使ってない。音科の方とかにプチコンサートしてほしい。
確かに。あの舞台の前にある盛り盛りの土はなんでしょうね。
あれは(僕の)総基礎の時はなかった(笑)この場所って秋になったら紅葉が綺麗で、結構グレイッシュな感じがいいですよね。グレイッシュな中にベージュだったり彩度高い赤と黄色が入って際立つ。ノスタルジーな気分になります。あまり人も来ないし、誰か1人になりたいって人がいたら来たらいいんじゃないですかね。
この場所に限らず、この京芸という場所が自分に与えた影響や思い出はありますか?
やっぱり僕サッカー部なので、グラウンド。最初来た時から面積的には広いと思っていたんですけど、サッカーするにあたって土ってすごく大事なのに、京芸のグラウンドはスカスカで(笑)雨降ったら水たまりができやすいんですよ…って雨降ってきた!?
ワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?
(インタビュー場所移動)
京芸って自然が多い分、天気や季節感で学校の雰囲気めっちゃ変わるよね。
確かに。京芸って自然と一体化してるじゃないですか、木もいっぱいあって。特に西門の方の木が並んでいるのが良い。秋になったらイチョウがとても綺麗だなと思います。そういえば総基礎の時、ハンモック作ってる人いたな。木があるとそういうアウトドアっぽいのやりやすいんだろうな、やってる人多かった印象が残ってる。俺は総基礎の時、小ギャラリーから続く草の坂道を使って滑り台を作った。
あ、覚えてる。京芸そういう点では結構自由だからね(笑)
他の大学だったら絶対できない(笑)
あの坂道付近、結構印象的ですよね。他のインタビューでも話してたんですけど、人が歩いたり使ったりした痕跡が見えるというか。さっき音楽棟の裏で感じるノスタルジーの話も、そういう痕跡が関係してるのかも。
僕は結構空を見るのが好きで。京芸や沓掛って秋になると夕焼けが綺麗。昼と夕方の間くらいのベージュに赤とオレンジが差し掛かったような空がすごく好き。日常を切り取ってそれを自分なりのアニメーションとして色彩に置き換えるという映像作品をしたことがあるんですけど、その作品に取り入れたことがあります。
あ、あと沓掛という場所関連で言うと、松尾園芸。僕は花も好きで、映像に取り入れることもよくあります。花の素材を手に入れるために、松尾園芸によく行くんですよ。行って薔薇を撮るのが、2・3回生の頃は一つの趣味でした。
京芸の周り、隠れスポット結構ありますよね。竹林にでっかい筍あったり。
移転したら自然は鴨川しかない!大学でできることも変わりそう。ここはある程度機転がきくけど、京都駅前であんな(沓掛でやっているようなことを)やったら下手したら捕まるかもしれない(笑)
卒業制作について
次に、卒業制作について聞かせてください。
僕は時間をテーマに制作しています。今まで23年間生きてきて、特に大学入ってから時間が経つのが早く感じられて。本当にあっという間だった。コロナがあったのもあるけどこのまま30・40歳になって死んでいったら悲しいなって。そう思ったら「退屈なまま終わるのはいやだな」っていうのがあって、いろんな悩みとかはあるけど今を生きている中で自分がどうしていくかと言うのをすごく考えた時期でもあったから。それを今まで制作でやってきたアニメーションを使って表現したい。今考えているのは、自分が考えたその時間の流れに対しての思いを花の一生に置き換えること。蕾からできてきて長くかかってやっとあんな綺麗に咲くのに、枯れる時は一瞬。そこの儚さを自分の大学4年間で感じた時間が経つ早さに置き換えられたらいいなと思って制作しています。それを映像にしたものをプロジェクターで映して、一つの空間として見せたいです。今必死で描いています(笑)
てことは全部手描き…?
そうっすね。
ヒィ
でも色を塗るのはPhotoshopでやっているので…。そこはソフトを使ってるけど、やっぱり手描きはヤバい。
構想設計って結構謎に包まれているんだけど、制作の様子や手順があれば教えて欲しいです。
映像のゼミで言うと、一応メディアルームっていう場所はあるんですけど、家が制作室って感じかな。もちろん学校でしか扱えないソフトもあるけど、僕の場合そんなにソフトを必要としないので家でやっていることが多いです。ただ撮影するときは、撮れるなら基本学内で。というのも学外だと許可を取ったり色々ややこしい。学内の方がやりやすいなぁ。
制作の手順は、僕のイメージで言うと、大体の人は絵コンテ書いて話の全容を書いてから、下書き程度にクロッキーでイメージを描き起こして本番に入るって感じかな。実写の人は、まずプロットを描く。プロットっていうのはこんな登場人物がいて…っていう内容を文章に起こしたもの、かな。次に脚本。脚本は小説みたいな感じで台詞を逐一書く形。その後に絵コンテを描く。描かない人もいるけど絵コンテ描いた方が役者さんにイメージ伝えやすいから。
結構手順を踏んで時間かかりそうな印象を持ったのですが、制作はどれくらいの期間をかけて行うのですか。
人による(笑)長い人は長くかけるし、俺みたいに直前に急いでやる人もいる。期間的には1年間与えられてるけど。
構想設計の人は自分のやりたいようにやれる人が多いイメージがあります。1年間与えられて、インスタレーションや映像など幅広い表現があるジャンルの中で、ちゃんと完成させるのは本当にすごい。
最後に、この沓掛の京芸に何か一言あれば。
ブラボー!!!!
インタビュアー:佐々木茜音
カメラマン:佐々木茜音
インタビュー場所:音楽棟の裏