インタビュー場所について
まず、自己紹介をお願いします。
デザイン科ビジュアルデザイン専攻の田中愛莉と申しま…
(同級生:おはよう〜!何?撮影会?)
ワ~!おはよう!…こんな感じで色んな人とすれ違える場所ですが、今回選んでもらったこの場所について教えて下さい。
ここは、私が勝手にツツジロードって呼んでる場所です。4月や5月は、階段の両側のツツジが一斉に咲いてめちゃくちゃ綺麗なんです。「千と千尋の神隠し」に出てくるような…とまで言ったら言い過ぎかもですけど、ほんとにそんな感じ。最初学校に入学したときに、学校で一番華やかな場所だなと思ったことと、季節を感じられる場所だと思ったんですよね。今も、季節の移り変わりと共に、今日も京芸に登校してきたなと思える。この道が、私の記憶の中にある、京芸の大切な場所ですね。
なるほど!確かにここは京芸の正門を通ってすぐ目に入る場所だし、毎日通るから移り変わりも感じられますしね。
スケッチの課題が出た時も、この道を友達と一緒に描きに来たんです。だからその時の楽しい記憶もセットになってますね。
なるほど。じゃあもう、毎日通りますか。
そうね、こっちの道(車用の大きな道)もあるけど…距離的にはどうなんやろう、こっちの方が近道になるんかな。でもこの、ツツジに囲まれた方の道を通りたいと思っちゃうかな。
なんで通りたくなっちゃう?
なんでやろう(笑)でもやっぱり、季節の移り変わりが目に入る方がいいなと私は思っちゃう。アスファルトの坂道上るよりも、石畳の階段の方が、歩きにくくはあるけど私は好きかな。
なるほど。でも毎日通るということは、良い日もそうじゃない日もここを通るということになりますが…
そうそう、ツツジが咲いてるときはワ〜ッ!って思うし、雨の日とか作業長引いたって日はぐったりしてるし。学校来るときも必ず通るから、4年間見てきたところって感じがします。
4年間を振り返って
なるほど。田中さんにとって、4年間でここ一番成長したなと思うところはありますか?
そうですねえ…技術とかというよりは、気持ちとか、考え方の部分が大きいかも。物の見方とか価値観みたいなものを、今までよりも考えるようになった。あと、制作を通して思ったのは、京芸での制作は、誰かに何かを届けるっていうのが基準としてあって、それにたどりつくためにはいろんな手段を取っていい、ということ。だから、軸をぶらさずに貫き通しながら制作を進めたらいいということ、あとはそこまでのプロセスは柔軟に表現することが出来るということを身につけました。軸と柔軟さ、ですね。
なるほど、それはかなり大きいですね…
大きいと思います!(笑)
卒業制作について
卒業制作を考えるときも、それを再認識する機会はありましたか?
卒業制作も、いろいろ考えましたが、結局何を作りたいかより、何を伝えたいかの方に重きを置いて制作を進めています。卒業制作は、課題的にというよりは今まで自分が考えたり感じたりしたこと、普段見てる価値観みたいなものを表現したいということ、あと見た人の感情を動かしたいっていうのがモチベーションです。具体的には、いままで生活してきた中で見た何気ない日常を切り取って、それをスノードームにしていくつか展示するつもりです。あたりまえの日常の有難さみたいなものを表現したくて、「普通のことなんだけど共感できる」と見た人にも思ってほしいと思っています。その何気なさがいいよねと思ってほしいというか。
なるほど、日常に流さず1つ1つ目線を向けていくというか。
普通の毎日の作業とか、日常生活、ご飯食べるとか、寝るとか。普通のことが普通にできる事の大事さを表現できたらいいなと思って。それも、京芸に来たからというのはありますね。価値観的なところで、普段生活していて、あ、いいなとか、そう思えることが増えたんです。それを最後に作品にしたいなと思ったんですよね。
へえ〜!!めちゃくちゃ楽しみです!最近スノードームを色々ネットで見てて!
そうなんや!わかる、スノードーム、もともと好きで!でも大きさとか、見せ方とか考えすぎて、もうなんか、アア…ってなっちゃってるけど(笑)
展示も含めて楽しみにしてます。
ありがとう(笑)
なんか、日々通るツツジロードの美しさとか良さとかを聞いた延長でそんな話聞くと、沁みるものがありますね…
確かに(笑)普段から、やっぱりそういうものが好きなんだと思います。日々の…何か…みたいな。
見過ごされがちな、みたいなね。
そうなんかなって。頑張ります(笑)
楽しみです!ありがとうございました!
インタビュアー:駒井志帆
カメラマン:駒井志帆
インタビュー場所:ツツジロード