インタビュー場所について
関さんのお気に入りのこの道について、教えていただけますか?
この道は、いつも修復実習がある音校に向かうために通る道です。いつも行きは緊張しつつ、今日は何するのかなと思って皆んなでワイワイ言いながら通ります。その時、 ここに「くつした(足先だけ白い茶色の猫)」がいたら、くつしたに声をかけて行きます。帰りはあぁ〜疲れたとか、しんどかった〜、って言いながら皆んなと帰っています。
同期の皆さんは仲良いんですね。
そうですね。金曜日の午後に13時から18時まで実習があるので、ここの道を行ったり来たりするのは金曜です。私は分析の機械、カメラとか道具を持って行ったり来たりします。ここの緑や紅葉をいつも見ながらよく通るので、思い出の場所です。
修了制作について
なるほど。ちなみに、保存修復には修了制作はあるんですか?
私はもうほとんどパネルですけど、他の人たちは仏画だったりだとか、自分の研究テーマの仏画を再現したり、復元模写したりします。元の姿を想像しながら、今急ピッチで皆んな描いてます。
そうなんですね。じゃあ作品を一枚描く人と、研究のパネルを作る人の2通りの人がいらっしゃるってことですか?
そうですね。私は絵画の分析をしているのでパネル展示の予定です。私は今回はこっちの(分析の)方を研究します。ほとんどの方は復元したり現状模写したりですね。そういう人の場合はそれが作品となるので、作品展の時にはそれを展示します。
研究について
なるほど。では最後に、今研究されていることについて聞いてもいいでしょうか?今は何が研究対象なのでしょうか。
滋賀に芦浦観音寺というお寺があるんですが、そこに所蔵されている歴代住職の肖像画です。その表現技法とか、材料にどんなものが用いられていたか…というのを調べる研究をしています。
なるほど。
長い目で見たときの歴史変遷ですね。描き方などがどんな風に変わっていっているかとか、どういう気持ちで絵師が肖像画を゙゙描いていたか、みたいなことがちょっとでも知れたらな、と思ってやっています。
なるほど。絵師さんの気持ちとかまで調べてみたい、ってところがあるんですね。
画家一人一人の、僕はこういうところを表現したかったんだ!っていうこだわりみたいなものが垣間見れたら、とはずっと思っていますね。
それが分かるポイントっていうのはあるんですか?
そうですね…日本画のお顔を中心に修復しているんですが、顔の表情を出したい画家がいれば、全体の特徴だけ捉えている画家がいたりします。見ていくと少しずつそういった違いが感じられますね。
なるほど。制作は楽しいですか?
そうですね、でも今まだ作業は四苦八苦していて、まだまとめきれてはいないんですが。ちゃんとまとめていきたいなと思っています。
それが作品展で見れるって訳ですか!
そうですね。頑張ります。
楽しみにしています。
インタビュアー:駒井志帆
カメラマン:大谷花
インタビュー場所:西門